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■歯ぐきが下がってきたら要注意──大人に多い「根面むし歯」を知っていますか?
「歯ぐきが下がって歯の根元が見えてきた」
「冷たいものがしみる」
こうした変化に心当たりはありませんか?
歯周病などで歯ぐきが下がり、露出した歯根部分は、通常のむし歯よりもリスクが高いとされています。
この記事では根面むし歯の仕組みと予防の考え方をわかりやすくお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 歯周病で歯ぐきが退縮すると歯根が露出し、エナメル質がない分むし歯になりやすい状態になる
- 根面むし歯は初期に痛みが出にくく自覚しにくいため、早期発見には定期検診が重要
- フッ素配合歯みがき剤や補助器具を活用した日々のセルフケアが予防の基本となる
■歯周病で歯ぐきが下がると歯根が露出する仕組み
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が少しずつ吸収され、それに伴って歯ぐきも退縮していきます。
普段は歯ぐきに覆われている歯根が口腔内に露出すると、その部分がむし歯のリスクにさらされやすくなります。これが「根面むし歯」の出発点です。
◎歯の根の表面はエナメル質に守られていない
歯の頭の部分(歯冠)は硬いエナメル質で覆われていますが、歯根の表面を覆っているのはセメント質や象牙質です。
エナメル質と比べると、むし歯の原因となる「酸」への抵抗力が弱いのが大きな特徴といえます。
歯冠部のむし歯が硬いエナメル質を溶かすところから始まるのに対し、根面むし歯はこの防御層が薄い分、比較的短い期間で進みやすい傾向があるとされています。
歯ぐきが下がって歯根が見えている状態は、それだけでむし歯のリスクが高まっている可能性があるのです。
◎根面むし歯が大人に多い理由
根面むし歯は子どもにはほとんど見られない、大人特有のむし歯です。背景にはいくつかの要因が重なっています。
- 歯周病による歯ぐき退縮:歯周病の有病率は年齢とともに上昇し、歯ぐきが下がる方が増える傾向にある
- 唾液量の減少:加齢や服用中の薬の影響で唾液が減ると、口腔内の自浄作用が低下しやすい
- 過去の治療箇所との境目:詰め物や被せ物と歯の境目に汚れがたまりやすく、根面にまで及ぶことがある
こうした要因が重なるため、大人の歯はむし歯と歯周病の両方のリスクを同時に抱えやすくなります。
■根面むし歯は気づきにくい?見落としやすい理由と予防の考え方
根面むし歯には、通常のむし歯とは少し異なる特徴があります。「痛くないから大丈夫」と感じている方ほど、注意しておきたいポイントがあります。
◎「痛みがないから大丈夫」は注意が必要な思い込み
根面むし歯は歯の神経に近い位置で広がることがある一方、初期の段階ではほとんど痛みを感じないケースも珍しくありません。
色の変化も歯根部分のもともとの黄みがかった色調に紛れやすく、ご自身で見つけるのが難しいむし歯の一つです。
気づかないまま進行すると歯の内部にまで影響が及ぶ可能性もあるため、「痛みがない=問題ない」という思い込みには注意しておきたいところです。
◎フッ素の活用と日々のセルフケアのポイント
根面むし歯を防ぐうえで、フッ素の活用は大切なセルフケアの一つです。
- 高濃度フッ素配合の歯みがき剤を使い、歯根部分にもフッ素を届ける
- 歯間ブラシやデンタルフロスで歯と歯の間の根元付近を丁寧に清掃する
- 就寝前のケアを特に丁寧に行い、睡眠中の細菌増殖を抑える
歯ブラシだけでは届きにくい部分が多いため、補助器具を組み合わせることがポイントになります。
◎歯科での定期検診が根面むし歯を防ぐ鍵
根面むし歯は自覚しにくいからこそ、歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。
プロの目で歯根部分を確認してもらうことで、早い段階での対処につながりやすくなります。当院では数ヵ月に1回の間隔で歯科検診をご案内し、歯周病の管理とむし歯の早期発見を同時に行っています。
歯ぐきの下がりが気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。
■よくある質問
Q. 根面むし歯は保険診療で対応できますか?
A. 通常のむし歯と同様に、保険診療の範囲内で対応できるケースが多くあります。ただし進行度や部位によって治療の選択肢が変わることもあるため、まずは歯科医院でご相談ください。
Q. 歯ぐきが下がるのは歯周病だけが原因ですか?
A. 歯周病が主な原因の一つですが、強すぎるブラッシングや噛み合わせの問題、加齢なども歯ぐき退縮に関わることがあります。原因を特定するためにも、歯科医院での検査をおすすめします。
Q. 根面むし歯を防ぐためにフッ素洗口は有効ですか?
A. フッ素洗口は歯根部分の再石灰化を助ける方法の一つとして活用されることがあります。歯みがき後に取り入れるかどうかは、担当の歯科医師や歯科衛生士に相談して決めるのがよいでしょう。
Q. 根面むし歯になりやすいかどうか、自分で判断できますか?
A. 歯ぐきが下がって歯の根元が見えている方、口の中が乾きやすい方、歯周病の治療歴がある方はリスクが高い傾向にあります。ただしご自身での判断には限界があるため、定期検診でチェックを受けることが大切です。
愛知学院大学歯学部卒業
1997年
桃花台歯科勤務
2000年
伊豆歯科医院勤務
2001年
伊豆歯科開業(継承)
名古屋市介護認定審査会委員
LEVEL ANCHORAGE SYSTEM(LAS)
JIADS PERIO Course
