
「入れ歯は一度作ればずっと使えるもの」と思われがちですが、使い方やお口の状態によって使用できる年数には差がある場合があります。
入れ歯が合わなくなったまま使い続けると、噛み合わせの乱れや歯ぐきへの負担につながることもあるため注意が必要です。
本コラムでは、入れ歯の寿命の考え方や目安をわかりやすく解説するとともに、入れ歯を長持ちさせるためのポイントについて詳しくご紹介します。
今お使いの入れ歯をできるだけ快適に使い続けたい患者様は、ぜひ参考にしてください。
目次
■入れ歯は何年使える?寿命ってあるの?
◎入れ歯の寿命の平均
一般的に、入れ歯の寿命は約3〜5年がひとつの目安とされています。ただし、これはあくまで平均的な期間であり、すべての患者様に当てはまるわけではありません。
使用頻度や噛み合わせの状態、日々のお手入れ状況によって、寿命が短くなることもあれば、丁寧に使うことで長持ちするケースもあります。
◎保険診療の入れ歯と自費診療の入れ歯の違い
保険診療で作製する入れ歯は、使用できる材料や設計に制限があります。そのため、経年劣化や変形が起こりやすく、比較的早い段階で調整や作り直しが必要になることがあります。
一方、自費診療の入れ歯は、強度や適合性に優れた材料を使用できるため、適切な管理を行えば5年以上使用できることも珍しくありません。
■入れ歯がずれる、痛い…合わなくなる主な理由
入れ歯そのものが壊れていなくても、顎の骨や歯ぐきは年齢とともに少しずつ変化します。顎の骨は、噛む刺激が減ることで徐々に吸収されるため、作製当初はぴったり合っていた入れ歯でも、時間の経過とともにズレが生じやすくなります。
このズレが、痛みや噛みにくさにつながり、「合わない…寿命が来たのかな」と感じる原因になります。
■入れ歯を長持ちさせる方法は?
◎毎日の適切な洗浄で清潔を保つ
入れ歯を長持ちさせるうえで重要なのは、日々の丁寧なお手入れです。
入れ歯の表面には、食べかすだけでなく細菌の膜(プラーク)が付着します。これを放置すると、歯ぐきの炎症や口臭の原因になるだけでなく、入れ歯自体の劣化を早めてしまうことがあります。
歯みがき粉には研磨剤が含まれていることが多く、強くこすると細かな傷がつき、そこに汚れが入り込みやすくなります。そのため、入れ歯専用の洗浄剤を使用し、やわらかいブラシで優しく磨くことが基本です。
力を入れるよりも、「毎日続けること」が長持ちの鍵になります。
◎就寝時は外し、歯ぐきを休ませる
入れ歯を長時間装着したままにしていると、歯ぐきが圧迫され続け、血流が悪くなることがあります。その結果、炎症や痛み、さらには顎の骨の吸収を早める原因になることもあります。
特別な指示がない限り、就寝時は入れ歯を外し、水または専用洗浄液に浸して保管しましょう。歯ぐきをしっかり休ませることで粘膜の健康が保たれ、結果として入れ歯の安定性も維持しやすくなります。
◎定期的な歯科医院でのチェックと調整
入れ歯は時間の経過とともに少しずつフィット感が変わります。顎の骨や歯ぐきの形は年齢や体調によって変化するため、「壊れていない=問題ない」とは限りません。
違和感や浮き上がりを我慢して使い続けると、噛み合わせがずれ、顎関節や残っている歯に負担がかかる可能性があります。
半年に一度を目安に歯科医院でチェックを受け、必要に応じて裏打ちや調整を行うことが、入れ歯を快適に長く使うために重要です。
◎強い衝撃や乾燥を避ける
入れ歯は精密に作られた装置であり、落下や乾燥は破損や変形の原因になります。洗浄時に手が滑って落としてしまうケースは少なくありません。洗面器に水を張った状態で扱うなど、破損予防の工夫をしましょう。
また、入れ歯を乾燥させると材料が変形し、フィット感が悪くなることがあります。外している間は水中または専用液で保管し、直射日光や高温を避けることも大切です。こうした日常の配慮が、入れ歯を長持ちさせるポイントになります。
■まとめ
入れ歯の寿命は平均すると3〜5年が目安ですが、使い方やお口の状態によって変わります。毎日の正しいお手入れや、歯科医院での定期的な調整を行うことで、入れ歯をより長く、快適に使い続けることが可能です。
また、入れ歯はむし歯や歯周病と無関係ではありません。詳しいお手入れ方法については、当院の過去のコラム「入れ歯はむし歯や歯周病と無関係ではない!毎日の洗浄・お手入れ方法」もぜひご覧ください。
お一人おひとりに合った入れ歯の管理について、伊豆歯科までお気軽にご相談ください。
