皆さん、こんにちは。名古屋市北区の伊豆歯科です。

歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、やがて歯を支える骨を溶かしてしまう怖い病気です。初期は痛みが少ないため、気づかないうちに進行してしまうこともあります。

今回は「歯周病の原因」と「なりやすい人の特徴」について、予防のために知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。

■歯周病の原因は？

歯周病は「細菌感染によって歯ぐきや骨が炎症を起こす病気」です。原因は1つではなく、日々の生活習慣や体質、加齢など複数の要因が関係しています。

◎プラーク（歯垢）の蓄積

歯周病の大きな原因のひとつは、歯の表面や歯ぐきの境目に溜まる「プラーク（歯垢）」です。プラークは食べかすではなく、細菌の塊であり、歯みがきが不十分だと数時間で作られます。

この細菌が出す毒素によって歯ぐきが炎症を起こし、出血・腫れが進行すると、歯を支える骨まで破壊していきます。放置すると「歯がグラつく」「噛み合わせが悪くなる」といった症状が現れます。

◎歯石の放置

プラークが長期間放置されると、唾液中のミネラルと結合して硬い「歯石」になります。歯石は歯ブラシでは落とすことができず、その表面にさらに細菌が付着するため、炎症が長期化することがあります。そのため、歯科医院での定期的なクリーニングによる除去が欠かせないのです。

◎歯みがきの癖や歯並び

歯並びがデコボコしていたり、歯が重なって生えていたりすると、歯ブラシが届きにくい部分にプラークが残りやすくなります。また、ブラケット矯正中は装置の周囲に汚れが付きやすく、丁寧なケアが必要です。

お一人おひとりの歯並びや噛み合わせに合わせた歯みがき指導が、歯周病予防の基本です。

◎悪い噛み合わせ・歯ぎしり・食いしばり

強い力が特定の歯にかかると、歯ぐきや顎の骨に負担がかかり、歯周病の進行を早めることがあります。つまり、悪い噛み合わせや歯ぎしり・食いしばりが歯周病を悪化させる一因となりえるのです。

◎むし歯や合わない被せ物

むし歯を放置したり、合わない被せ物や詰め物を使っていたりすると、歯と歯ぐきの間に隙間ができ、細菌が繁殖しやすくなります。歯周病治療とあわせて、適切な修復治療も行うことが大切です。

■歯周病になりやすい人の特徴は？

同じように生活していても、歯周病にかかりやすい人とそうでない人がいます。ここでは、歯周病になりやすい傾向を持つ方の特徴を紹介します。

◎年齢と加齢による変化

歯周病は40代以降で増える傾向があります。年齢とともに唾液の分泌が減り、口の中の自浄作用が低下することが一因です。

また、長年のプラーク蓄積や噛み合わせの変化も影響します。ただし、若い世代でも歯ぐきの炎症が進むケースはあり、「年齢＝歯周病」と決めつけず、早めのケアが重要です。

◎体質や免疫力の低下

歯周病は「感染症」であるため、体の免疫力が低下すると悪化しやすくなります。疲労、睡眠不足、ストレス、糖尿病などがあると、歯ぐきの防御力が弱まり、炎症が長引く傾向があります。

とくに糖尿病と歯周病は相互に悪影響を与えることがわかっており、どちらの管理も大切です。

◎ホルモンバランスの変化（女性）

思春期、妊娠中、更年期など、女性ホルモンが変化する時期は歯ぐきが腫れやすくなります。ホルモンの影響で細菌が繁殖しやすくなったり、炎症反応が強く出たりするため、いつも通りの歯みがきでも歯ぐきが出血することがあります。妊娠中の「妊娠性歯肉炎」も代表的な例です。

◎喫煙習慣

喫煙は歯周病を悪化させる生活習慣要因のひとつです。タバコに含まれるニコチンは血流を悪くし、歯ぐきに必要な酸素や栄養を届けにくくなります。その結果、炎症が治りにくく、歯周病治療の効果も下がってしまいます。禁煙すると、歯ぐきの健康も少しずつ良くなっていくでしょう。

◎歯みがきや定期検診の不足

歯みがきの時間が短かったり、自己流で磨いていたりすると、プラークが取り残されてしまいがちです。

また、「痛みがないから」と定期的に歯科検診を受けない方は、歯周病が進行してから受診するケースが多いです。定期的なメンテナンスでプロによるクリーニングを受けることが、歯周病予防の近道です。

◎口呼吸や乾燥

口呼吸の習慣があると、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすくなります。お子様でも、口呼吸の癖を放置すると歯ぐきの炎症や歯並びの乱れにつながることがあります。必要に応じて、噛み合わせや鼻呼吸のトレーニングを行うことも大切です。

■まとめ

歯周病は、プラークや歯石などの細菌が主な原因ですが、年齢、体質、生活習慣なども深く関係しています。「自分はまだ大丈夫」とそのままにしていると、気づかないうちに進行していることもあります。

伊豆歯科では、お一人おひとりの口腔状態に合わせて予防から治療まで丁寧にサポートしています。歯ぐきの腫れや出血が気になる方は、早めの受診をおすすめします。