入れ歯を毎日使っていると、黒くなっている部分に気づくことがあります。毎日きちんとケアしているのにどうして黒い汚れや黒ずみが生じるのか疑問に感じている方も少なくないことでしょう。
入れ歯の黒い汚れは食べかすなどの付着ではなく、もしかしたらカビの可能性も。
そこで今回は、入れ歯の黒い汚れや黒ずみの原因と自宅でできる対処法を名古屋市北区の伊豆歯科が詳しく解説をします。
入れ歯の黒い汚れが気になっている方は、このコラムを参考にしてみてください。
目次
■入れ歯の黒い汚れ・黒ずみの原因
入れ歯の表面が黒い、黒ずんでいる場合は、以下の原因が考えられます。
◎食品による着色
入れ歯の黒い汚れの原因として、有害性が低いものとしては、食品による着色が挙げられます。
普段からコーヒーや紅茶、カレーなど、着色性の強い食品を口にしている場合は、色素の沈着によって入れ歯が黒ずみやすくなります。こうした色素の沈着による入れ歯の黒ずみは、審美的な面で気になってしまう方も多いです。
◎歯石の形成
歯垢や歯石は、歯のまわりだけでなく、入れ歯にも形成されます。この点は患者様の盲点となりやすいため十分にご注意ください。とりわけ歯石は水道水による洗浄や義歯ブラシによる軽いブラッシングでは落とせない傾向にあることから、灰色や黒い汚れが残っている場合には歯石を疑いましょう。
◎金属の変色や金属イオンの沈着
保険診療の入れ歯に使われている金属は、酸化による変色や金属イオンの溶出による床(しょう)の黒ずみを引き起こしやすくなっています。
具体的には、部分入れ歯の留め具であるクラスプやその周りに黒ずみが目立つ場合は、金属の劣化が疑われます。
◎カビの発生
お口の中にはカンジダと呼ばれるカビの原因菌(真菌)が常在しています。このカビが入れ歯に付着して繁殖すると、黒ずみや灰色の汚れを生じさせることがあります。この真菌は、お口の中だけでなく、入れ歯を洗浄したり保管したりする台所にも存在しているため、水回りの衛星環境にも配慮しなければなりません。
■入れ歯に生えたカビの対処法
ここからは入れ歯にカビが生えて黒ずみを生じさせたケースに焦点を当てて、自宅で行える対処法を解説します。
◎義歯ブラシでやさしく丁寧に清掃する
入れ歯にカビが生えて黒ずんでいる場合は、まず入れ歯専用の歯ブラシである義歯ブラシを使って、優しく丁寧に清掃してください。入れ歯が黒いのであれば、カビが生えている部分を肉眼で確認しながらブラッシングできます。
ここで注意が必要なのが過剰なブラッシングです。義歯ブラシでブラッシングしてもカビによる黒ずみが除去できないと、ついつい力が入ってしまい、入れ歯を傷めやすいです。
入れ歯のカビは、義歯ブラシによる機械的清掃で落とせる範囲が限られていることから、無理はせずにやさしく丁寧に清掃するよう心がけてください。
◎入れ歯洗浄剤による化学的清掃
義歯ブラシによる機械的清掃で取り除けない入れ歯のカビは、入れ歯洗浄剤で除去しましょう。市販の入れ歯洗浄剤には、細菌だけでなく、真菌も排除できるため、入れ歯の黒ずみ・黒い汚れも改善する効果が期待できます。
◎お口のケアも徹底する
入れ歯の黒ずみの原因となっている真菌は、主にお口の中に生息しています。そのため入れ歯の清掃を頑張っても、お口の中が不潔であればまたすぐに黒ずみが生じてしまいます。
入れ歯の清掃と併せて、口腔ケアも徹底するようにしましょう。さらに、水回りにも真菌が発生しやすいので、定期的に掃除することも大切です。
◎入れ歯のしつこい汚れは歯科医院で対処
入れ歯に生えたカビ、黒い汚れを自宅でのケアで落とせない場合は、歯科医院の力を借りましょう。歯医者では、超音波洗浄機など活用して、入れ歯に付着したカビ・黒い汚れを効率よく除去できるようにアプローチします。
カビが生えている入れ歯を使い続けることは、お口の健康にとても悪いので、歯科医院への受診は早期に行うことが推奨されます。
■まとめ
今回は、入れ歯の黒い汚れた、黒ずみの原因、自宅でできる対処法について解説しました。
入れ歯の黒い汚れは、食品由来の着色や歯石の堆積、カビの発生などいくつかの原因が考えられます。その中でもカビが原因で入れ歯に黒い汚れが生じている場合は、適切な方法でケアが必要です。
入れ歯の正しいお手入れ方法については過去のコラム「入れ歯はむし歯や歯周病と無関係ではない!毎日の洗浄・お手入れ方法」で詳しく解説していますので参考にしてみてください。セルフケアで取り除けないカビは、歯科医院で除去することがおすすめです。