
皆さん、こんにちは。名古屋市北区の伊豆歯科です。
「親知らずは抜かない方がいいって聞いたことある…」と疑問に思う患者様も多いのではないでしょうか。
親知らずは必ずしも抜く必要があるとは限らず、抜かずに残すことで得られるメリットもあります。しかし、放置するとトラブルを招く場合もあるため、注意が必要です。
今回は、親知らずを抜かない場合の意外なメリットと、その際に気をつけたいポイントについて詳しく解説します。
目次
■親知らずを抜かないメリットは?
親知らずを抜かないことには、いくつかの利点があります。ここでは、主なメリットを4つに分けて解説します。
◎ブリッジや移植に利用できる可能性がある
健康な状態で真っすぐに生えている親知らずは、将来の治療に役立つことがあります。
たとえば、奥歯を失った際に、親知らずを「自家移植」して欠損部分を補うことが可能なケースがあります。また、ブリッジ治療の支えとなる「土台の歯」として利用できることもあり、抜かずに温存しておくことで治療の選択肢が広がります。
◎噛み合わせの安定に寄与する
上下の親知らずがしっかり噛み合っている場合は、噛み合わせを支える役割を果たします。特に、他の奥歯が失われている場合には、咀嚼(そしゃく)を補助し、顎関節や筋肉への負担を軽減します。
親知らずがきちんと機能していると、噛む力のバランスが整い、全体の歯並びにも良い影響を与えることがあるのです。
◎歯列の後方の支えとして機能することも
親知らずが正しく並び、清掃が行き届いている場合には、歯列の「後方の支え」として機能します。
特に、ブラケット矯正などで歯を動かす治療を受けたあとに、奥歯の位置を安定させる支点になることがあります。ただし、歯ぐきが覆っていたり、少しでも傾いていたりすると清掃が難しくなるため、日常の歯みがきや定期検診が重要です。
◎抜いた場合のリスクを回避できることも
親知らずを安易に抜いてしまうと、まれに術後に腫れや痛み、出血が長引くことがあります。さらに、下の親知らずの近くには神経が通っており、抜歯時に神経を刺激して一時的にしびれが生じるケースも報告されています。
こうした抜歯後の合併症リスクを避ける意味でも、炎症や痛みがなく正常に生えている親知らずは、あえて抜かない選択が有効な場合があります。
ただし、「抜かないほうがいい」と断言できるわけではなく、レントゲン検査などで根の形や位置を確認したうえで、歯科医が総合的に判断することが大切です。
■親知らずを抜かない場合の注意点は?
親知らずを抜かずに残す選択をする場合には、いくつかのリスクや注意すべき点があります。以下で代表的なものを紹介します。
◎むし歯や歯周病のリスクが高い
親知らずは一番奥に位置しているため、歯ブラシが届きにくく、歯垢(プラーク)が溜まりやすい部分です。その結果、親知らず自体だけでなく、手前の歯までむし歯や歯周病になるリスクが高まります。特に歯ぐきの腫れや出血、口臭が気になる場合は、早めの受診が必要です。
◎歯並びや噛み合わせに影響することも
親知らずが少しでも斜めに生えていると、隣の歯を押して歯並びを乱すことがあります。特にお子様や若い方では、顎の成長に伴って歯が前に押されるため、矯正治療後の後戻りにつながることもあります。
また、上下の噛み合わせが不均衡になると、顎関節に負担がかかり、顎の痛みや口が開きにくいといった症状を引き起こすこともあります。
◎歯ぐきの炎症を繰り返す可能性
親知らずの周囲は歯ぐきが部分的にかぶさっていることが多く、細菌が入り込みやすい構造です。これにより「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる炎症を繰り返すことがあります。
軽い腫れでも放置すると、痛みや発熱を伴うことがあり、重症化すると顎の骨にまで炎症が広がるケースもあります。炎症を防ぐためには、日常の歯みがきを丁寧に行うとともに、歯科での定期的なクリーニングが欠かせません。
◎定期的な経過観察が必要
抜かない選択をする場合は、レントゲン撮影などで親知らずの位置や状態を定期的に確認することが大切です。将来的にむし歯や嚢胞(のうほう)と呼ばれる病変を起こすこともあるため、半年〜1年に一度の定期検診を受けておくと安心です。
■まとめ
親知らずを抜かない方がいいケースもありますが、その判断には専門的な診断が欠かせません。正常に生えて噛み合わせに貢献している場合は、残すメリットもありますが、清掃不足や炎症リスクには十分注意が必要です。
抜いた場合のメリットについては、過去のコラム「親知らずって抜くべき?|抜くとどうなる?メリットについて」もぜひご覧ください。親知らずに関するお悩みは、お一人おひとりの状態に合わせて丁寧にご説明いたします。
