私たちの歯は、さまざまな原因で抜ける、あるいは抜かなければならなくなることがあります。
最近では、歯が抜ける原因の第1位が歯周病であることは広く知られるようになりました。歯周病はとても厄介な病気なので、厚労省や歯科医師会はその予防や早期治療に力を入れています。
今回はそんな歯周病で歯が抜けるメカニズムや第2位、第3位の理由などを名古屋市北区の伊豆歯科が詳しく解説をします。
歯が抜けることはもちろんのこと、歯周病の発症も予防したいという方は参考にしてみてください。
目次
■歯を失う原因ランキングTOP3
はじめに、日本人が歯を失う原因の上位3つをご紹介します。
第1位:歯周病
第2位:むし歯
第3位:破折
厚労省が令和4年に行った歯科疾患実態調査の結果によると、日本人は歯周病(37%)、むし歯(29%)、破折(18%)の順番で歯を失っています。ちなみに、矯正治療では歯を抜くことで歯をきれいに並べるスペースを確保することがありますが、全体で見ると2%程度にとどまります。
◎歯周病で歯が抜けるメカニズム
歯周病は、歯ぐきや歯を支えている骨(歯槽骨)に炎症反応が起こる病気です。進行するとそれらが破壊されて、歯を支えきれなくなります。
その結果として歯が自然に抜けてしまうことも珍しくありません。あるいは、重症化した歯周病への治療としては歯を抜くことが選択される場合もあります。
◎むし歯で歯が抜けるメカニズム
むし歯では、歯が自然に抜けるということはあまりありません。重症化したむし歯でも根っこの部分まできれいに溶けていくことはほとんどないため、歯科医院で抜歯することになります。
また、むし歯は中等度まで進行すると強い痛みが生じることから、歯が抜ける、あるいは抜く前の段階で治療を受ける患者様が多いのです。この点が歯周病との大きな違いといえます。
◎破折で歯が抜けるメカニズム
交通事故や運動中のトラブルなどで外傷を受け、歯が破折すると保存不可能となる場合があります。とりわけ歯根の方まで亀裂が入ったり、歯根が破折したりすると、抜歯が適応されやすいです。歯の頭の部分だけ破折した場合は、保存できる可能性が高いです。
■歯周病になる原因
次に、歯が抜ける主な原因である歯周病について掘り下げていきます。歯を失う原因の4割近くを占める歯周病をしっかりと予防できれば、健康な歯を維持することにつながります。そこで重要なのが歯周病になる原因を知ることです。
◎歯垢・歯石の体積
歯垢や歯石は、歯周病菌の温床となります。日々のセルフケアでは取り切れない汚れがあるため、まず歯科医院での定期検診などを利用して、クリーニングやスケーリングを受けましょう。
さらに、ブラッシング指導を受けることで、適切なセルフケアを行えるようになり、歯周病を根本から予防しやすくなります。
◎悪い歯並び
悪い歯並びは歯みがきしにくいことから、汚れがたまりやすく歯周病菌が繁殖しやすい環境を作ります。とりわけ歯並びがデコボコになっている叢生(乱ぐい歯)という歯並びは注意が必要です。悪い歯並びを改善する方法としては、歯列矯正が第一に挙げられます。
◎喫煙習慣
タバコを吸う習慣は、歯周病のリスクを大きく上昇させます。タバコの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素は、歯ぐきの血流を悪くして免疫機能を低下させます。歯周病は細菌感染症の一種であることを忘れてはいけません。
◎糖尿病
現代人は糖尿病にかかる人が増えている点に注意が必要です。糖尿病になると、歯ぐきのような末梢組織の血流が悪くなりやすいことに加え、唾液の分泌も減少することから、歯周病の発症リスクが高まります。
ちなみに、歯周病菌が血流に乗ると、血糖値を下げるインスリンの効果を減弱させるため、糖尿病の重症化へとつながることがわかっています。つまり、歯周病と糖尿病は負の相互作用をもたらす病気なのです。
◎加齢も歯周病の原因になる?
年をとること自体が歯周病リスクを直接的に上げることは少ないです。なぜなら上述した4つの要素がない方は、50代、60代になっても歯周病を回避できるからです。ただ、現実としては加齢に伴って口腔環境が悪くなることが多いので、若年層よりも中高年の方が歯周病にかかりやすくなっています。
■まとめ
今回は、歯が抜ける原因ランキングTOP3について解説をしました。日本人が歯を失う原因は、歯周病・むし歯・破折の順に多くなっています。その中でも歯周病は日本人の国民病とも呼ばれていることから、可能な限り予防、早期治療に努めることが大切です。
歯周病の治療法については過去のコラム「歯周病って治る?歯周病治療の内容と期間について」を参考にしてみてください。
歯周病は歯が抜けたり、全身の病気を誘発したりする病気ではありますが、歯科医院で適切な治療を受けることで治すことも可能です。
そんな歯周病の治療や予防に関心のある方は、いつでもお気軽に名古屋市北区の伊豆歯科までご相談ください。