入れ歯が痛い。入れ歯で噛めない。
実は、こうした悩みを抱えている方はとても多く、入れ歯をお使いの方ならではの悩みといえるでしょう。入れ歯は、お口というデリケートな部分に入れる重要な装置なので、使用感が悪いと日常生活に大きな支障をきたしてしまうことがあります。
そこで今回は、入れ歯が痛い・噛めない原因や対策方法について、名古屋市北区の伊豆歯科がわかりやすく解説をします。合わない入れ歯でお困りの方はこのコラムを参考にしてみてください。
目次
■入れ歯が痛い・噛めない原因は?
入れ歯が痛い、噛めない原因としては、以下の5つが挙げられます。
◎入れ歯の形が合っていない
入れ歯の装着時に痛みや噛めない症状が現れる場合は、入れ歯の形が合っていない可能性が高いです。
例えば、保険診療の部分入れ歯は、金属製のクラスプ(歯にひっかける留め具)とプラスチック製の人工歯・義歯床から構成されています。
これを残っている歯と歯ぐきにはめ込む形で装着するため、どこか一部でも形態に不備があると、噛んだり、しゃべったりする時に痛みや違和感が生じやすいです。
こうした入れ歯の適合性は、設計の不備や調整の不足によって低下します。
◎入れ歯が破損、劣化している
プラスチックで作られた入れ歯は、使っていく中で劣化する点に注意が必要です。入れ歯の変形や摩耗が進むと、入れ歯をつけると痛い、入れ歯で噛めないなどの症状を引き起こします。これらの症状が強い場合は、入れ歯が部分的に破損している可能性もあります。
◎噛み合わせがズレている
入れ歯そのものの形態が正常で劣化や破損が生じていなくても、残った歯の状態が悪くなると、噛み合わせがズレて入れ歯が痛い、噛めないという症状が現れることがあります。
天然歯は、さまざまな要因によって動いたり、形が変わったりすることを知っておきましょう。
◎顎の骨が吸収している
入れ歯は、歯の欠損部の審美性や、咀嚼・発音などの機能性を比較的簡単に補える装置ですが、顎の骨が噛む刺激を失うことで徐々に痩せていく症状を抑えることは難しいです。
専門的には顎堤の吸収と呼ばれる現象が起こり、入れ歯が歯ぐきや骨に強く当たるようになることから、入れ歯が痛くて噛めなくなる場合があります。
◎入れ歯やお口が不潔になっている
入れ歯やお口のケアが不十分だと、細菌や真菌が繁殖して、口腔粘膜に炎症反応をもたらすことがあります。
その中でもとくに注意が必要なのが不潔な入れ歯によって誘発される「口腔カンジダ症」です。入れ歯の表面で繁殖した真菌(カビ)が口腔粘膜に感染し、痛みや腫れなどの症状を引き起こします。時には“灼熱感”と表現されるヒリヒリとした強い痛みが生じることがあります。
■入れ歯が痛い・噛めない時の対策方法
続いては、入れ歯が痛くて噛めない時の対策方法をご紹介します。
◎入れ歯を調整する
入れ歯の形態や適合性が悪いことで痛みや噛めない症状が現れている場合は、義歯調整で対応します。
義歯床の一部が歯ぐきに強く当たっているケースでは、そこを適度に削ります。クラスプの変形も専用の器具を使うことで調整が可能です。
その他、入れ歯と粘膜が当たる部分にクッション素材を貼り付ける方法もあります。欠けや摩耗が生じた人工歯は新しいものに交換します。
◎入れ歯とお口を清掃する
入れ歯に付着した歯石などは、セルフケアで取り除けないことも多いため、歯科医院で清掃します。残った歯のクリーニングやスケーリングを併せて行うことで、口内環境が改善します。
その結果、口腔カンジダ症などに由来する入れ歯の痛みを緩和できます。歯石が取り除かれた入れ歯は適合性が向上するため、装着時の痛みや違和感も減少することでしょう。
◎新しい入れ歯を作る
噛み合わせのズレや顎堤の吸収、入れ歯の破損が大きい場合は、義歯調整での対応が難しいことから、新しい入れ歯を作る必要があります。
新しい入れ歯を作る際には、使用する材料や設計、製作方法などを歯科医師と相談しながら慎重に選びましょう。具体的には、適合性が高い入れ歯を選ぶことで、今回のような「入れ歯が痛くて噛めない」というトラブルが起こりにくくなります。
ちなみに、名古屋市北区の伊豆歯科(当院)では、噛む力を測定するグルコセンサーと顎の動きと噛み合わせの高さを測定するゴシックアーチを活用した、オーダーメイドの入れ歯治療に対応しております。
詳しくはこちらの記事もあわせてご確認ください。
マグネットデンチャーやノンクラスプデンチャー、インプラントオーバーデンチャーにも対応しております。
■まとめ
今回は、入れ歯が痛くて噛めない原因と対策方法について解説しました。
入れ歯が痛い・噛めない原因としては、
入れ歯の形が合っていない
お口の環境が変化している
口腔カンジダ症を発症している
などが挙げられます。
どの原因が当てはまるかは患者様によって異なりますので、「最近、入れ歯が痛くて噛めなくなった」という場合は、できるだけ早く歯科医院で相談することがおすすめです。
まずは入れ歯の不具合の原因をつきとめましょう。その上でより良い対策方法、調整方法を提案させていただきます。
入れ歯の適合性について詳しく知りたい方は『「入れ歯が痛い」「入れ歯がずれる」これって仕方ないの?|合う入れ歯・合わない入れ歯についてもご覧ください。